光の当たらない場所を言語化すること

執筆やライターの仕事に携わっていると、
痛感することがあります。

『言語化って難しい』

言語化って言っても、ただ言語化すれば良いって事ではなくて、
読み手にいかに分かりやすく伝えたいことを伝えられるか

ざっくりまとめるとこれが課題になってくると思います。

横文字を並べたり、専門用語を使いまくって専門家を気取ったり、
読み手のことを考えていないブログや読み物も多く見られるけど、
正直リスペクトも何も伝わらない。(デジタル系の人とか特に多くない?)

知識人なら、それを知らない人の為に分かりやすく伝えるべきだし、
ゼロからこちらへの参入を目論んでいるなら尚更。
天狗になっている奴らが多すぎます。(初っ端文句を言うw)

読む気を無くす文章をつらつら書いていてご苦労様ですって感じです。

ただ、自分の考えとかを言語化することって、本当大事だと思っていて、
文章を書く人、日記を付ける人、歌詞を書く人、しっかりした言葉でメールを打つ人、
等しく皆さん素晴らしいと思います。
なので読む気を無くす文章を書いている人も偉いです(どの目線)。

僕が毎日更新している『架空小説書き出し』日課も、
如何に読み手に分かりやすく、伝わる文章で書けるかが課題になっていまして、
更に140文字に収めると言うルールが難易度を上げているのですが、
これが凄くトレーニングになっています。

あわせて読みたい
文字の偉大さ 南アフリカから発生して、世界各地に広がった人類たちは、 そこから6万年くらいは文字を持たずに過ごしていたと言われています

僕自身も、読みにくい言葉、難しい単語が並んでいる小説や文章は苦手でして、
やはり読むなら、読みやすくて分かりやすくて、
読み手に寄り添ってくれている小説を読みたいと思っていますので、
そんな文章を書けるように頑張っています(自分で言っても評価は読み手なので良い感想をもらえるようにやるだけです)

日記を書くのは絶対におすすめですし、
日々の生活の中で思ったことをノートにこっそり書き留めるのも、
かなりおすすめです。

架空小説書き出し』も本当おすすめ!
ぜひチャレンジしてみてください。

タップできる目次

この世の全てを言語化できるのか

僕の中の結論では、限りなく出来ると思っています。

日本語の多さから見ても出来ると思っていますし、
多言語も駆使したら可能だと考えられます。

国語辞典、類語辞典の厚さを見たらいける気がする!って思えるはず。

ただ、今まではそう考えてきたのですが、
最近新しく思うことがありまして、
言語化出来ない領域』もるのではないか。と言う発見です。

うーんと、言葉のニュアンス、チョイスが難しいのですが。

特に日本人の日本語って、悟ったり察したり、譲歩したり、
言葉一個に色々な意味が含まれていたりもします。

例えば、、、
好きな人に連絡をしたくても出来なくて、寝れなくてモヤモヤして、
嫌われてないかなぁとか、相手も好きかなぁとか、
どうやって連絡しようとか、やっぱり諦めようかなぁとか。

文章で書けば、いくらでも書けたりするのですが、
『そう言う事ゃ無いんだよなぁ』ってありませんか?(例えが悪い?)

明らか向こうに悪気があったり問題があれば原因とかを言語化出来ますけど、
『なんかムカつくんだよな』で、恋人や友達と喧嘩したことありませんか?

この『なんか』『なんとなく』ってモヤッとした気持ちって、
辞書を駆使したりすれば言語化できると思うのですが、
これ言語化して冷静な感じで言ってくる人がいたら、嫌じゃないですか?(僕かもしれない)

討論とかディベートとか論破したり最近ありますけど、
言語化しないのも、言語化出来ない領域の事を考えることも、
相手への気遣いなのでは?と思いました。
『感覚』って言葉や『心』って言葉があるから、
言語化出来ない領域って存在しているのかもと思う訳です。

それを言ってしまったら、文筆家として失格なのですが、
この絶妙なラインって普通の人ってどう感じるんだろうって考えたりします。

僕の不思議な力だったり、三年で死んでしまうかもしれないことについても、
これ結構言語化が難しいと思ったんですよね。
そもそも理解されないんじゃない?って言うのは前提なのですが、
うまく伝える言葉が見つからない。思い悩んでも当てはまる言葉が分からない。
と、書きながら悩んでいることもあります。

でも、まぁこのブログを書いていると言う事実もそうですし、
文筆家としてもそうですし、
言語化しない方が良いこともあるとか言って参りましたが、

そもそも好き勝手に発信しようと決めた訳ですし、
目指す小説家としても、僕の好きな小説のことを話すにしても、
ありとあらゆる事を言語化して、伝えてやろう。残してやろう。
と、言うのが僕の使命だとも思っています。

まぁここには色々な意見もあると思いますが、
言語化できない領域も限りなく言語化してみせる
をこのブログの隠れテーマにしてみようと思います。

小説の素晴らしさを語らせてくれ

本当は、ここからのことを話したかったのに、
だいぶ遠回りしましたよ。

小説や読み物を毛嫌いしている声は良く聞きますが、
具体的にどこが嫌ですか?

読みたくない人に無理に読めとは言いませんが、
少しでも本の魅力が伝われば良いなぁと思って書きますね。

ここからは、僕の主観と価値観が大きく含まれる内容です。
ご容赦ください。

まず僕が本を好きな理由です。
僕の根本的な作りに、映像や絵よりも、
文字や文章の内容から、想像して、咀嚼して、
解いて、理解すると言う脳みその構造になっているのかもしれません。
簡単に言うと、文字が好き。文字オタクってことです。
使う文字や文章を見ていると、書き手の癖や性格までも分かってきます。

そして、大きな理由の一つとして、

本には、色々な登場人物が出てきて、
そこには、それぞれ様々な『心』が書かれています。
悪いやつから、調子の良いやつ。頭がおかしいやつも、嫌いな性格まで。
その人達の『心』や個性を見た時に、自分を正当化してくれるような気がするのです。

利己的で黒い我が儘な気持ち、めちゃくちゃイヤラしい気持ち、
人を殺したいと思う気持ち、周りが引くくらい泣き叫びたい気持ち、
他人には言ないような醜い自分の心も、おかしくないんだって、
生きてて良いんだって思わせてくれる。
本は、世界の隅っこにでも居場所を作ってくれる、
心の拠り所があるから好きなのです。

ポジティブな言葉だけでは、この世の全ては語れません。
見ていて元気の出る絵、聴いていて勇気をくれる歌、
勿論どれも素晴らしいのですが、

なんとなく胸を締め付けるような感情、人知れず流す涙、
見つからないように隠している傷、呼吸のしにくい事、
この世の光の当たらない場所までも言語化して、
寄り添ってくれる言葉が本には詰まっています。

そして、その一人一人にしっかりと寄り添ってあげられる事が出来る、
良いことも悪いことも頷いてあげられる、
読み手の速さに合わせて歩幅を合わせて歩いてくれる
本にはそな特殊な力があるので、好きなのです。

自分の言葉で言い表すことが出来ない、何かなんとなくだけど、どうしようもなくて、
苦しくて辛い時は、是非本に寄り添って代弁して貰ってください。

きっと、あなたを救ってくれる言葉や、あなたの人生の道標になるような物語に出会えるはずです。

そもそも活字が苦手なんだけどって方へ

漫画とか絵の方が、情報は入ってき易いって言うのは、
一理あると思います。

小説って縦書きですし、
それに慣れないんだよなぁって事もあると思います。

しかし、そこ。縦書きだから良いんですよ!!
ブログも出来れば縦書きで書きたい位ですが、小説は縦書きで原稿を書くので、
ブログの横書きで息抜きにはなっています。

なぜ縦書きが良いのか説明しましょう。

どうでしょう?伝わるかなぁ、、、

横書きと縦書きで、言葉の重みとか印象が変わりませんか?
僕が尊敬している作家『森沢明夫』先生の著書からの受け売りでもあるのですが、
ウエット感というか、質感や空気感が増す気がするのです。

つまり、縦書きで綴られている文章には、生々しさだったり、
生きた言葉が積み込まれていて、そこに生き生きしたものを感じられると、
僕は思っています。

句読点の位置や、段落を変えたり、リズムを作ることによって、
そこに絵や映像では分からない温度や質感が生まれます。

縦書き活字に毛嫌いを覚えているかもしれませんが、
想像を膨らませて、温度を感じて、読んでみてはいかがでしょう?

本日のおすすめ

好きな小説を上げたら無限に出てきますし、
それぞれ一人ずつに合った本をそれぞれに紹介したいし、
ランキングにすると甲乙も付け難い。

まぁ、今回第一回目と言うことで、
万人にオススメと言うか、僕個人でもとんでもない衝撃を受けた小説をご紹介します。

『教団X』

知る人ぞ知る問題作ですね。
これは、アメトーークの本大好き芸人でも、ントツで評価が高かった小説です。

先ほど、万人におすすめしたいと言いましたが、
正直、人を選ぶ作品ではあります。(内容がかなり濃い+国語辞典並に分厚いです)

ハードカバーは、凶器になるくらい分厚く読み応えがあります。

あらすじは、
突然自分の前から姿を消した女性を探し、楢崎が辿り着いたのは、奇妙な老人を中心とした宗教団体、そして彼らと敵対する、性の解放を謳う謎のカルト教団だった。人のカリスマの間で蠢く、悦楽と革命への誘惑。四人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。

内容は、簡単に言ってしまうと『化学と宗教』。対立するように見える二つの要素ですが、
これが読者の想像を超える奥行きがとんでもなく深い内容になっています。

筆者の後書きには、こうあります。

“世界と人間を全体から捉えようとしながら、個々の人間の心理の奥の奥まで書こうとする小説”

今回のブログのタイトルや内容にもあるように、
光の当たらないところまで言語化している。
言い表せないような思いまで、激烈に言語化している。

もう、これを読んだ時、度肝を抜かれまして、
言語化って難しいよなぁって言ってた自分はなんだったのかと思うくらい、
的確に言語化して突いてくる内容や文章力が素晴らしかったです。

物語の内容も勿論面白いですが、
化学で証明できる所と、宗教観やスピリチュアルな要素で言葉で纏められないところの、
対立した見せ方に引き込まれます。テンポも飽きさせない。

ここで、少しだけ、好きな部分を。

“指を動かそうと反応した0.35秒後に、意識、つまり「私」が指を動かそう、という意志をもつ。実際に指を動かしたのは、その意識、つまり「私」が指を動かそうと意志をもってから0.2秒後です。
つまり意識「私」というものは、決して主体ではなく、脳の活動を反映する「鏡」のような存在である可能性があるのです。”

この内容を読んだ時に、自分とはなんだ?と言う感覚に襲われました。
脳は自分の体の部という認識ですが、
このブログをタイピングしている指を動かすよりももっと前に脳が選択している訳で、
見ようとしているもの、感じているものも、全て脳の選択。
つまりこの肉体や心は、脳にとっての一部?

ムムム?ってなった訳です。(伝わるかなぁこの感動)

とまぁ、化学に基づいて難しい内容も含まれている訳ですが、
この本を読み終えた時、きっとあなたは元のあなたには戻れないことでしょう。

この世の中の真理、人の脳とは、体とは、そもそもあなた自身は何者なのか、
正義だと思っていたことは本当に正義なのか?では、悪の存在意義は?
深淵の深くを覗いてしまうことになります。

すると今まで見ていた世界の景色の色や見え方が変わってしまうでしょう。

この本は、劇薬です。覚悟して読んでください。
弱い精神力では、余裕で持っていかれます。
僕も引っ張られてしまいそうになったくらいです。
そんな本を、僕は万人にオススメと紹介していますw

ただ、本って読み終えた先にしか見えない景色があります。
まるで、富士山の山頂でしか拝めない、ご来光を見る感覚です。

なんとも言えない、じんわり満たされた感覚が生まれます。

特に、この『教団X』は、満たす度合いのレベルが違うでしょう。

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怖いもの知らずの勇気ある方は、ぜひ読んでみてください。
そして、僕と深い談義でも交わしましょう。

って、本の内容のブログになると、
めちゃくちゃバグみたいな量の文章書いてるじゃありませんか。

白熱してすいませんが、
まだまだ語りたいこと沢山あるのでね、
よろしく頼みますぜ^ ^

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